大麻草・ヘンプ・HEMP・Cannabisについて総合的に 調査研究し、情報発信するページ
ヘンプ(麻)の工業用基礎原料
●はじめに
最近、多くの方がヘンプ(麻)の原材料の入手方法や種類などをお問い合わせしてきます。ヘンプ素材を使った研究及び製品開発をしたい人・企業向けに日本で入手できる原材料を集めてみました。ヘンプの入門書「ヘンプがわかる55の質問」を読んでない人にもわかりやすいようにヘンプの特徴を工業原料の観点からピックアップしてみました。
●ヘンプ(麻)の10大特徴
1)再生可能な資源
アサ科の1年草であるヘンプは、有限な化石資源と異なり毎年再生産ができる
2)成長が早い
昔から100日草と呼ばれ、3ヶ月で約3メートルにまで成長する
3)最も古い栽培植物
栽培植物としての起源は最も古く日本でも縄文時代の遺跡から繊維と種子が出土
4)農薬不使用
ヘンプは病害虫に強い作物であり、殺虫剤、除草剤などの農薬は使用しません。
5)世界中で栽培可能
沙漠、氷雪原、ツンドラ気候と湿地以外では、痩せた土地・半乾燥地でも栽培可能
6)様々な生活用品を生み出す
繊維から衣類、縄、紐、紙ができ、繊維をとった後の麻幹(オガラ)から建材、炭、
プラスチック副原料、燃料、動物用敷藁、種子から食品、化粧品、塗料、潤滑油、
葉から肥料、飼料、花から医薬品と25000種類の生活用品ができる植物。
7)工業原料としての実績
リーバイスのジーンズ、メルセデスベンツ等の自動車内装材、ユーロ紙幣、
ザ・ボディショップのボディケア用品、EUでの自然素材断熱材など天然繊維
の工業利用のノウハウが最も蓄積された植物
8)地産地消のバイオマス
将来、日本で栽培、加工、製品化できる資源作物として期待される
9)バイオ・リファイナリーができる模範的植物
麻から繊維・麻幹・種子をとり、様々な加工によって無駄なく使え、持続可能な
安定供給ができ、技術が進めば石油に変わる植物由来の工業用基礎原料になる
10)日本の伝統文化を支える素材
神社の鈴縄、注連縄、御幣、下駄の鼻緒、花火の火薬、凧糸、弓弦、相撲の化粧回し
漆喰原料の麻すさ、茅葺屋根材、麻織物、七味唐辛子の一味など今でも使われる日本
の伝統素材。
●日本で入手可能なヘンプ原料
原料写真 名称・特徴 レポート 名称:ヘンプ・ファイバー
特徴:麻茎の表皮の繊維質だけを取り出したものV-ファイバー、A-クォリティーなどの麻チップの割合によって、用途が異なる。
用途:紙パルプ用、プラスチック強化材用
(麻チップ含有18〜22%)
自動車内装材などのプラスチック強化材
ヘンプ断熱材・繊維強化コンクリート
(麻チップ含有1〜3%)繊維解説
パルプ解説名称:麻すさ
特徴:ヘンプ・ファイバーを1〜2cmにカットしたスサ状のもの。漆喰壁は、石灰とフノリ(海藻糊)、麻スサからできています。土壁や珪藻土などの左官材料として使えます。
用途:左官材料スサ解説 名称:麻チップ
特徴:麻茎から繊維をとった後の心材。日本では、麻幹(オガラ)と呼ばれている。多孔質であるため、調湿性、断熱性、防音性に優れた素材である。
用途:馬や小動物などの動物用敷藁、建築内装材、
コンクリート充填材、プラスチック充填材
敷料解説 名称:麻幹(オガラ)
特徴:繊維をとった後の長い状態でのオガラ。長さ1m80cm、直径1cm前後。お盆の迎え火、送り火に使う他、茅葺屋根の材料やインテリアとして主に使われる。
用途:茅葺屋根材料、インテリア用品、麻炭原料、松明建材解説
麻炭解説名称:INASO樹脂ペレット
特徴:古古米樹脂70%に麻幹(オガラ)20%、残りをバインダーPP10%の国産有機資源を使ったバイオマス・プラスチックの樹脂。
性質は、PP(ポリプロピレン)と同等
用途:プラスチック用品全般樹脂解説
名称:ヘンプ糸
特徴:中国で紡績されたヘンプ100%の糸(10.5番単糸)、ヘンプ55%・コットン45%の糸(21番単糸、21番双糸)の2種類がある。番手は綿番。
用途:ヘンプ生地、衣料、小物類など
名称:ヘンプオイル(未精製)
特徴:昔ながらの低温圧搾法によって国内で搾られた未精製油。リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸の必須脂肪酸バランスがよい。
用途:食用(サラダドレッシング、軽い炒め物、マリネなど)
てんぷら油には不向き。食用解説 名称:ヘンプオイル(化粧用グレード)
特徴:未精製な食用ヘンプオイルを活性炭で精製した化粧用ヘンプオイル。食用に比べて、べとつかず、匂いも少なく、伸びがよいので、肌に塗ったとき感じが心地よいです。浸透力と保湿性の高いのが特徴です。
用途:化粧用(マッサージオイル、キャリアオイルなど)化粧用
解説名称:ヘンプオイル(手作り石けん用)
特徴:未精製のヘンプオイル製造時にできる緑色の濃いオイル。写真ではこげ茶にみえますが、人の目には深緑色です。石けんをつくるにはこれぐらいの色が濃いときれいな緑がでます。食用、化粧用よりも価格が安いのが特徴。
用途:手作り石けん用名称:麻の実油かす肥料
特徴:通常の油かすの場合、石油溶剤ヘキサンで抽出しているため、その残留が気になりますが、低温圧搾法のため有機栽培されている農家にとっては貴重な油かす肥料。飼料としても使えます。
用途:油かす肥料肥料解説 名称:麻殻(あさがら)
特徴:麻の実の製造時に発生する麻殻。そば殻のように枕や詰め物のクッション材に使えます。そば殻よりも比重が重いので枕に使えば、頭に気持ちよくフィットする高級枕になります。
用途:枕やアイピローの詰め物、クッションの詰め物、ぬいぐるみの詰め物名称:麻炭(あさずみ)
特徴:昔から花火の火薬の原料、カイロ灰として使われた麻炭。着火力がよく、火の持続性がある。多孔質なため土壌浄化、水質浄化にも最適。
用途:飲料水の浄化材、土壌改良材、花火の火薬原料、消臭材など麻炭解説 名称:精麻(せいま)
特徴:麻茎を2日半ほど発酵させて、手で剥いだ繊維。手工芸品
用途:神社用鈴縄、注連縄、麻織物の麻糸原料精麻解説
●入手希望の方は,名称、用途、連絡先をを記載の上、こちらまでメールを! Hemp Revo,Inc
在庫量によって対応できない場合もありますのであらかじめご了承下さい。